SRC(SRCシナリオ雑記)

 中国がチベット人を虐殺していることは知っていたが、自国の反共産党分子たる位置づけになるであろう法輪功関係者に対し、生きたまま臓器を摘出して現在までに四千人以上殺していたなどという事実は、つい最近まで全く知り得なかった。せいぜい弾圧されている、くらいの認識があった程度だったのだ。ああ、だが天安門事件を例に挙げるまでもなく、古くは人豚、テンソクなる所業が行われてきた暗黒大陸、弾圧という言葉の裏でどれほどの無残が展開されていたかは推して測るべきことだった。それに比して、日本の何と穏やかなことか。問題になるレベルが余りにも違いすぎる。深刻の度合いが天と地だ。そう。世界は未だ殺し合いの渦中にある。20世紀は終わっていない。絶対に解決できない人類の悪行から目を背けるのは簡単だ。日本の新聞のように、話題にしないのも処世術としては正しいのかもしれない。しかし待ってくれ。せめて物語のなかくらいは夢を見せてほしい。政治や格差社会、右と左と暴力組織、差別と同和利権、中国とアメリカとロシア、題材なら山ほどある。
 オリロボシナリオという鍋のなかに、それらを放り込んで煮立ててほしい。調理してほしい。そんなシナリオが出てくることを、私は望んでいる。