網膜剥離

 一般的な感覚ではボクサーの職業病といった認識だろうが、それはあくまで珍しい外的要因といったもので、実態は近視の人が飛蚊症や光視症を経て至るものらしい。それでも1万人に一人という発症確率ではあるそうだ。ただし話してくれたお医者様の体感的にはもっと多い筈とのこと。
 また、人によって剥離しやすい体質もあるらしく、まさに私がそうであった。実際左目も危うい箇所があるようで、昨日は本番の硝子体手術の前にレーザーで左右の目を焼いてもらった。
 その数、およそ800発以上。麻酔してても痛い箇所が幾つかあった。今更ながらだが、現代科学でも威力高めたレーザーなら人なんて楽に殺せるな、等と思ったり。
 夜から本番。耳の後ろに局所麻酔。なるほど、紐切り空手の元ネタはこれか、なんて考えるも間もなく右目下瞼の辺りにも針をぶっ刺され、麻酔を注入される。耳の後ろはどこに効くんだろうと疑問に思うも、さすがに尋ねられるわけもなく、あとはもう、一方的な手術。水晶体摘出に右目の水を抜かれ、フニャフニャになった眼球をシェービングされること、約2時間。後進への指導も兼ねてるようで、説明をしながらのものだったが、聞いててハラハラするような状況に何度かなり、生きた心地がしなかった。そしておそらく後半戦になったあたりでミスがあり、レーザーで処置されたりも。まあそれでも、多分成功したと思うので、結果オーライといったところか。いや、そうであってくれ。