喧嘩商売(週刊ヤングマガジン連載分)

 喧嘩王帰還の回。いい話が続くなー。今回で、これまで画としては描かれていたけれども、台詞として空が玉拳の人の子分になったことが明らかになった。
 そして改めて、この作品の猛烈な父性の肯定っぷりに気づかされる。多分、これネットで既に誰か書いてると思うけど、それを承知で書く。「範馬刃牙」は、「美味しんぼ」と類を同じくする父性の描きかたをしている。母性と対を成すようなカタチで捉え、ツン成分多めにしたりしてね。比べて「喧嘩商売」は、母性を無視するどころか、むしろ否定している。まあ母性というか、女性全般をといったほうが分かりやすいかもだけれど。その一方で、父性にこだわり、様々な「父」を、概ね肯定して描くことに腐心しているように見える。例外は金田や工藤の父親か。喧嘩王にしても、橋口にとってはまさに父親そのものであろうし、異常性が際立つ佐川兄弟にしても、文さん、その他最強候補たちにしても、その根っこに父がある者たちの、なんと多いことか。これはもう、意識して描いてるとしか思えないわけで。テーマの一つなのかなあ。