不思議の国の千一夜、再刊

不思議の国の千一夜(1) (講談社漫画文庫)

不思議の国の千一夜(1) (講談社漫画文庫)

 思い出の作品。ようやく文庫になったんですね。絵柄はもろに昔の少女マンガなのですが、内容はというと、映画「タイタンの戦い」などに見られる冒険物語にラブロマンス+コメディをどっさり盛り込んだかたちで、男女の別なく楽しく読める筈です。ある程度の世代からすると、萌える男装の麗人キャラといえばサファイア、オスカルなのでしょうが、個人的には断然セブランでした。とはいえ、黄金の林檎を奪われたドラゴンの呪い(男が女に、女が男になったら人生めちゃくちゃだろザマーミロ的な)でさっさと男になってしまい、儚い萌えは泡と散った懐かしい記憶。単眼巨人、人喰い虎、魔法使い、いにしえの魔龍との戦いを乗り越え、晴れて性別問題も解消してミルテ姫と結婚して以降も、不死の王、魔界の悪漢らとの激闘を繰り広げるなど、すじだけ追えば立派なバトルファンジーものです。優れてはいますが、ただの剣士に過ぎないセブランを支えたのは神馬のヘンデク=アトラタン。セブランとヘンデクのコンビは本当に好きだったなー。本棚の奥に眠る単行本はもう茶色くなってボロボロなので、これを機に揃えなおすのもありかもしれず。