プロボクシング

 ダブルタイトル戦をテレビで観た。実力伯仲の好試合だったと思う。特に王者内藤選手に挑んだ清水選手は素晴らしかった。内藤選手のボクシングを研究し、対抗策を練って臨んでいるのがテレビ画面越しにも伝わった。内藤選手はズルいボクシングをする。「グラップラー刃牙」の李猛虎が、ボクサー対策として「ボックス」外からの攻撃を試みていたが、あれが即ち内藤選手のスタイルなんだろうと思う。互いにリング上で相対していながらも、攻撃の直後にはボックスの外に退避してしまうのだ。フルラウンドそれをやりきれる体力と精神力を持っていることそれ自体が、内藤選手が王者である所以なのだろうが、清水選手はそのやりづらい王者を追い詰めた。負けはしたけれど、その輝きは鮮烈だった。