崖の上のポニョ

 ららぽーと横浜3階「TOHOシネマズ」にて観賞。昼の部。平日でしたが、夏休みに突入してることもあり、ほぼ満席。幼児の泣き声がするなか、ポツンと一人だけのオッサン、それが私。簡単に言うなら、「千と千尋〜」のようなあっさり系の物語。観たひとそれぞれが多様な解釈をするんだろうなあと思う一方で、自分がいかに型月症患者というか、TYPE-MOON作品に毒されているのかに打ちのめされた。なんつか、自分以外にもいるとは思うが、序盤でさらりと触れられた、ポニョの父の在りかたに、なぜか型月作品のキャラっぽさを見出し、思考が脱線してしまったのだ。授業中の突然の勃起のように、それはもう、どうしようもないわけで、映画を観ながら二次的なことを並行して考えている自分に呆れるやらなにやらだった。彼は元人間で、おそらくは海を愛し、海の神秘に魅せられ、それを極めんと魔術の探求にのめりこみ、その果てに根源に近しい存在である彼女と遭遇し、ヒトではいられなくなったのであろう。“井戸”が完成した暁には、地球規模での海洋原初化が実現したのであろうが、それはポニョの家出というイレギュラーによって島国一つを丸ごと呑み込む固有結界的な規模で発動し、にもかかわらず世界を壊すほどの暴走をも同時に引き起こしてしまい……とかとか。はい。もっと純粋に映画を楽しんだほうがいいですね。また、終盤で連呼される半漁人という言葉ですが、これ5歳の子供が理解できているのかなーとかは気になったり。5歳を甘く見すぎているかな、私。ポケモン感覚でインプットできるってんなら、半漁人も平気なのでしょうが。で、相変わらず声は芸能人ばかりでしたが、ソースケの母親を演じた山口智子さんの声に、どこか三石さんっぽい艶を垣間見たりはしました。フツーに声優さんでもいいじゃんって思うけどなー。まあ、そんなこんなで深く感動したり泣いたりはなかったですが、うねる海のアニメは圧倒される迫力があり、それを観るだけでも価値はある作品だと個人的には思いました。