食事

 朝無し、昼冷凍ピザ、夜ごはん/納豆/煮物。
 風呂に入る時、何気なく本棚から「空手道ビジネスマンクラス練馬支部」を手に取った。超人ばかりを描いてきた夢枕獏だが、この小説には、いわゆるありえない人は出てこない。そのくせ、こうして何度も読み返してしまう不思議な魅力に溢れているのは驚きだ。内容は中年が主人公であるにもかかわらず青臭く、苦い。モラトリアムからの脱却を迫られる若いひとには胸に来ると思う。そしてあとがきで故人の名を見て奇妙な感慨にとらわれた。御冥福を。