ライオン丸G(第9話)

 無口なマスターの過去は、「仕事人エレキテル」と呼ばれた凄腕の殺し屋だった。そんなマスターに拾われ、戦闘技術を仕込まれた女は、かつて共に戦ったパートナーと対峙するために豪山に牙を剥く。豪山と敵対することは即ち、錠之介と戦うことに他ならないからだ。
 錠さんのエピソードが進行するなか、獅子丸の役目は雑魚の掃討。しかしこの雑魚、タチが悪すぎます。マスターをボコボコにし、腐ったみかんと罵る始末!
 どうでもいいことですが、ニューヨークの発の「割れ窓理論」って、「腐ったみかんの方程式」そのものですよね。
 怒り爆発の獅子丸は自ら変身(※自発的に変身することが珍しいと思われるヒーロー)、邪眼術で強化されたチンピラ黒服どもをばったばったと薙ぎ倒します。キル・ビル系の殺陣がもたらす爽快感は、この作品の売りと言えるでしょう。日曜朝の火力特化特撮作品も、それはそれで味があるのですが、せっかく派手なアクションのできる徳山さんが出演してるのに勿体無いなあと思うことが時々あったりなかったり。
 マスターから二人を止めるよう頼まれた獅子丸ですが、対決の港へ駆けつけた時には既に雌雄は決しようとしていました。互いに跳躍し、必殺の一刀を叩き込まんとするタイガージョーと、邪眼光を放たんとするユリ。果たして手加減したのはどちらか。
 偽りの忘却と、偽りの決着。
 1クールだけというのが、本当に勿体無い作品です。せめて2クールあれば、もっといろいろやれるのになあと。