あるはずのない海
これまでも、これからも
少年まんがでも少女まんがでもない、微妙な位置づけのまんが雑誌ウィングスで連載されているがゆえに、どうにもこうにも知名度はないものの、その完成度たるや古今無双。私にとって揺るぎない別格の作品、それがパームシリーズ「あるはずのない海」です。
もう二十年以上連載されていて、文庫じゃないほうは26巻出ているのですが、これは最初期の長編。そんでもって、個人的には最高傑作。絵柄は「スタンダード・デイタイム」の頃が味があって好きでした。いまはちょっと線が流麗になりすぎているきらいがあるかも。ざっと説明すると80年代のアメリカを舞台にした元医者で探偵のカーターと、その助手を務めるマフィアの息子で天才のジェームス、カーターの親類でアフリカでライオンと暮らしていた野生児アンディの三人を中心に織り成されるアレやコレな日々の物語。「あるはずのない海」は三人の出会い、「スタンダード・デイタイム」はその後の三人の平和(?)な日常が描かれています。どうしたって賛辞ばかりになってしまって胡散臭いかもしれませんが、実際に隙がない作品なので、こりゃもう読んでもらうしかないわけで。あーそうそう、アンジェラ萌え〜。
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